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一番見せたいもの

23/11/13 1:30

常に何らかの作品を作ってご飯を食べています。
撮影にしろ編集にしろ、溢れんばかりの情報と対峙をして、どこをどう切り取るかの感覚が問われる仕事です。

玄人ぶるわけではないですが、一つの作品にあれもこれも詰め込もうとすると、結局何が言いたかったのかわからなくなり、その作品が期待された役割を果たせなくなることがあります。
でも顧客や作り手は、表面的に映りの良い情報を出来るだけ多く盛り込みたいと考えることもあるでしょう。

僕は、文章でも映像でも、まずその作品の「テーマ(=役割)」を明確にすることが原理原則であると考えています。
そしてその役割を果たすためには、最も重要な情報を明確にすることが必要です。これが「一番見せたいもの」と定義しています。

ここから先は、一番見せたいものが最適になる形を目指して、作品を構成します。
ここでいう最適とは、「理解ができること」「その情報に価値を感じること」。

例えば、2019年に劇場公開した、監督映画「今日もどこかで馬は生まれる」は、オムニバス形式のドキュメンタリーで、各パート馬と共に生きる人に密着していますが、それぞれの人の現実を描きつつも、各パートに役割を設けており、それを描く上で不要だと思われる情報は、どんなに希少価値のある話だったとしても採用していません。
視聴者に意図したメッセージを伝えるため、調味料を重ねて味を濃くするよりも、そもそも味の種類を減らすことができないかを考えています。

長くなってきたので、もうやめたいと思います(笑)
なかなか文章だけで伝えることは難しい話ですが、若い制作者の方々とお話しする機会も増えてきましたので、感覚的なことを言語化する努力をしていきたいと思ってる昨今です。

また、書きます。
お読みいただきありがとうございました。

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